現在一般的に「釘」と呼ばれているものはいわゆる西洋釘で、明治時代にフランスから輸入で
その歴史が始まる。それ以前は釘は和釘で、それも江戸時代に鋳造されるようになるまでは鍛造で
鍛冶屋が一本一本鍛えて作成していたのである。ここからにほんの建築は、構造を釘に頼らず設計
されていた事が伺われる。歴史上初めて登場するのは法隆寺で607年の事だ、下の写真は
それから100年後の平城京で使用されていたものだ。先述の通り、鍛造で鍛冶屋が叩き上げて
作られた迫力がある。釘を木に打ち込むスリルは、快感と表裏一体だ。釘を曲げることなく、
綺麗に打ち込んだときは、達成感から、ついつい余計に槌を二、三回、釘の頭に叩きつけてしまう。
ブスリと差し込む事に快感を覚えるのは遺伝子に組み込まれているプログラムなのだ。